アトリエリスタを雇用する際は、美術大学の卒業生を採用条件とすべきですか?

もっとゆるく考えてもいい

美術の専門家であればもちろん良いのですが、必ずしも専門家である必要はなく、保育士や幼稚園教諭が外部の工作セミナーに参加したり指導研修を受けたりすることでスキルを身につければ、十分補っていけるものです。

理想を言えば、教育学に明るく美術や音楽などの学位をもった人を雇用したいところですが、そういった人が見つかるまでは教師が代理を勤めればよいと考えます。これは適当でも良いということではなく、理想的なアトリエリスタ人材が見つからないからレッジョエミリア教育を取り入れることができないと行き詰まるよりは、徐々に理想に近づけていこうという話です。

日本とイタリアでは美術大学の数が違う

日本にある美術大学の数(わずか6校)と、イタリアで美術系の学位を取れる学校の数では、圧倒的にイタリアの方が多いです。そういった国や風土の違いも考慮して、現実に即した日本らしいレッジョエミリア・アプローチを作っていくことこそ肝要です。

ちなみに日本の美大とイタリアの美大では卒業までにかかる経済的な負担なども大きく異なります。

そういった背景を鑑みれば、美大出身かどうかにこだわりすぎることは、アトリエリスタのハードルを上げすぎてしまうことに繋がるのではないかと思います。

レッジョエミリア教育の歴史の長さも違う

イタリアの学校に研修に行った先生方が、その完成度に驚かれて圧倒されることもあるようですが、そこには街の援助を受けながら60年以上続けて築き上げていった歴史があるわけですから、最初から完璧を目指すのはハードルが高すぎると言えるでしょう。

 

追記

  • アトリエを設置するスペースがない? それなら、工夫して「ミニアトリエ」を作ってみればよいのです。 アトリエリスタを雇いたくても、人材が見つからない? それなら、幼稚園の教師が、新たな知識やスキルを身につけて、自己研鑽を積み、足りないものを補うようにすればよいでしょう。そのための読みものも(役に立つものはまだ非常に少ないですが)存在するし、調べてみれば、興味深いワークショップが開かれていますし、オンラインのコースだってあります。 私自身も、そうした情報については常にチェックして、ノートに記録して赤線を引き、忘れないようにしています。 レッジョ・アプローチ 世界で最も注目される幼児教育